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後遺症の内容

 

外貌醜状・醜状障害

交通事故の後遺障害の中で、外貌醜状と呼ばれる醜状障害があります。

 

傷痕が体に残ってしまう後遺障害です。

 

顔に傷が残ってしまったり、手足の露出面に傷痕が残ってしまうような後遺障害です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.28

 

 

醜状障害の後遺障害等級

腕や足を後遺障害の認定の中では、上肢、下肢と呼びます。

 

上肢、下肢の醜状痕について、自賠法施行令別表第2では、
14級4,5号で「露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」と基準が書かれています。

 

また、その他の外貌については、
7級12号で外貌に著しい醜状を残すもの
9級16号で外貌に相当程度の醜状を残すもの
12級14号で外貌に醜状を残すもの
と3段階の記載があります。

 

 

「外貌」は、頭部や顔面部、頸部など、上肢・下肢以外で日常露出する部分のことです。

 

それぞれの定義について説明します。

 

どの程度の醜状であれば、各級に該当するのかというと、労災保険給付に関する等級認定基準にほぼ従って認定されます。

 

7級12号 外貌に「著しい醜状」を残すもの
原則として、次のいずれかに該当する場合で、人目につく程度のもの
①頭部にあっては、てのひら大(指の部分は含まない)以上の瘢痕又は頭蓋骨のてのひら大以上の欠損
②顔面部にあっては、鶏卵大以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没
③頸部にあっては、てのひら大以上の瘢痕

 

9級16号 外貌に「相当程度の醜状」を残すもの
原則として長さ5センチメートル以上の線状痕で、人目につく程度以上のもの

 

12級14号で外貌に「醜状」を残すもの
原則として、次のいずれかに該当する場合で、人目につく程度のもの
①頭部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損
②顔面部にあっては、10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕
③頸部にあっては、鶏卵大以上の瘢痕

 

 

瘢痕、線状痕及び組織陥没であっても、眉毛、頭髪等に隠れる部分については、醜状として取り扱わない。
たとえば、顔面に、3.5センチメートルの線状痕があるものの、そのうち1.5センチメートルが眉毛に隠れている場合、残った線状痕は2センチメートルなので、12級14号の外貌醜状には該当しないことになります。

 

 

上肢・下肢の「露出面」
上肢にあっては肘関節以下(手部を含む)、下肢にあっては膝関節以下(足背部を含む)

 

「2個以上の瘢痕又は線状痕」及び「火傷治癒後の黒褐色変色又は色素脱失による白斑等」に係る取扱いについては、外貌における場合と同様に取り扱うこととなるが、その範囲はてのひら大の醜いあとを残すものが該当する

 

露出面の2分の1程度に醜状を残すものは、12級を準用することになる

 

 

 

等級表以外の醜状障害

 

顔周りと上肢・下肢の露出面以外に醜状が残った場合、後遺障害と認められないのかというと、自賠法施行令が準拠する労働者災害補償保険法施行規則14条4項で、次の認定がされることになります。

 

・両上腕又は両大腿にあってはほとんど全域、胸部又は腹部にあっては各々の全域、背部及び臀部にあっては、その全面積の2分の1程度をこえるものは、12級を準用
・上腕又は大腿にあってはほとんど全域、胸部又は腹部にあってはそれぞれの各部の2分の1程度、背部及び臀部にあってはその全面積の4分の1程度をこえるものは、14級を準用

 

 

外貌醜状・醜状障害での争点

 

交通事故の醜状障害でもっとも争われるのは逸失利益です。


他の後遺障害のほとんどは、肉体的な可動部分に制約が生じることで、後遺障害等級に従って労働能力喪失率が決められています。


たとえば、14級であれば5%、9級なら35%の労働能力を喪失したと認定することになります。

 

これに対して、醜状障害の場合、肉体的な可動部分の制約というより、見た目の問題となるので、労働能力を喪失していない、働くことはできるはずだという主張が保険会社側からされることになるのです。

 

過去の裁判例で逸失利益が否定されるケースも多いです。

 

しかし、外貌醜状があることで、実際の仕事に影響が出ることは多いでしょう。

直接的に接客する仕事でなくても、外貌醜状があることで配置転換されたり、人間関係に影響を及ぼすことも考えられます。
また、就職活動、転職活動の際に醜状痕が影響する可能性もあります。

 

最近の裁判官の考え方としては、どのような仕事でも他者との接触や交流があるものとして、醜状がこれらに影響を与えることがあるとされています。

 

 

外貌醜状と逸失利益、仕事、性別、年齢

被害者の職業、仕事内容、性別、年齢によって、外貌醜状のケースでも一定の逸失利益を認める裁判例も出てきています。

 

俳優、モデル、ホステスのように外見が大事な仕事ではもちろん、接客をする仕事である保険外交員、デパート勤務、飲食店経営者、バーテンダー、ジムインストラクターのような仕事、また海上自衛官、作業療法士、運転手、介護の仕事でも一定の逸失利益を認める裁判例が出ています。

 

性別について、以前は、男女によって後遺障害の等級も違っていましたが、現在等級表では区別はありません。
ただ、逸失利益の損害算定では、被害者が女性のケースでは認定されやすく、男性の場合には否定されやすい傾向にあります。
女性の方が、男性よりも、仕事上の関係において、外貌醜状の影響が大きいという前提ですね。

 

年齢について、高齢よりも若い人の方が逸失利益が認められやすい傾向にあります。
就職活動、転職活動の機会が多く、そもそも職に就けるかどうかの際に醜状が影響を与える可能性が高いという前提です。


年齢については、単純に区別できるわけではなく、被害者の職歴によっても変わることが見込まれます。
中高年でも、転職によってキャリアを重ねてきているような場合には、醜状が影響する可能性も考慮されるでしょう。

 

醜状について、顔面部などの外貌醜状よりも、上肢・下肢の醜状では、より逸失利益が認められにくくなります。
そもそも露出部といっても、一年を通して露出しているとは限らず、仕事に影響を与える職業は相当に限定されるのではないかという考えです。

 

醜状痕だけではなく、何らかの痛みが発生して肉体的な活動にも影響を与えているような場合には、そのような主張もしっかりしておくべきでしょう。

まとめ

交通事故による外貌醜状、醜状障害については、まず、後遺障害認定がされるかが1つ目のポイントになります。

 

次に、後遺障害の認定がされたとして、逸失利益が認められるかが2つ目のポイントになります。

 

弁護士に相談しながら適正な賠償を求める方は、ぜひご相談ください。

 

 

 

 

 

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