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後遺障害

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後遺症の内容

 

高次脳機能障害

交通事故による高次脳機能障害は、脳外傷、脳損傷が発生した被害者について、ケガは治療終了となったのに、認知障害や人格的変化等の症状が残ってしまい、就労や日常生活が制限され、社会復帰が難しくなってしまう後遺障害です。

 

器質性の精神障害とされます。

 

事故直後に意識障害があった方で、記憶力が低下したり、集中力が続かない、複数のことを同時に処理できない、作業ミスが増える、失語症、以前とは違う行動を取る、周囲に合わせた適切な行動が取れない、以前とは人格が違う、暴言、暴力が増える、うつ傾向、金銭管理ができない、自己中心的になったと感じる場合には、専門病院で高次脳機能障害の診断を受けた方が良いでしょう。

 

高次脳機能障害は、主にびまん性脳損傷を原因として発症するとされていますが、局在性脳損傷についても関係があるとされ、併存することもあります。
びまん性脳損傷は、画像上、出血痕や脳挫傷痕など明確な脳の形態的異常所見が見いだせないにもかかわらず、精神神経上の機能性がが生じるもので、その原因について、大脳皮質に明確な損傷は見当たらないものの、大脳白質部の神経軸索が広範に断線して神経刺激が脳の部分間で伝達できなくなっているのではないかと説明されます。衝撃による軸索の伸展、断裂が病変とされます。
びまん性脳損傷は、事故後の画像診断で直接発見することは困難と言われます。

上記行動面の症状以外に、麻痺症状が出ることもあります。

 


 

高次脳機能障害の後遺障害認定ポイント

高次脳機能障害の後遺障害が認定されるポイントには次のような点があります。

 

 

・一定期間の意識障害


高次脳機能障害は、事故後、一定期間の意識障害があることで発症されると言われます。
後遺障害の認定では、この要件がもっとも重要です。

 

意識障害に関して、病院が行う検査には、JCS、GCSと呼ばれるものが使われます。
JCSは刺激に対する覚醒度を数値化する手法です。
GCSは被害者の体を尖ったもので突き、開眼・運動反応、言語性反応を点数化する手法です。

 

これらの検査で、事故直後、半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態が6時間以上続くことで、障害発生のおそれがあるとされています。
JCSなら3~2桁の状態、GCSでは12点以下の状態です。

 

これよりも軽度の状態の場合、健忘あるいは軽度意識障害の場合、JSCが1桁、GCSが13~14点の状態が少なくとも1週間以上続いていることが確認できる必要があります。

 

このような状態の場合、治療の必要性がそこまで高くないと判断され、担当医が1週間後に検査をしていないこともあるので注意が必要です。

事故直後のカルテ等にどのような記載がされているかがポイントになります。

 


・交通事故による脳の受傷を裏付ける画像検査結果

 

まず、高次脳機能障害は、交通事故で脳に衝撃があり、脳がダメージを受けたことが原因となります。
このような外的な力で、脳の器質的な病変が生じていることが必要とされます。


ここでは、画像が重視されます。

 

まず、CT、MRI画像で、脳出血、脳挫傷痕が確認できるかどうかがポイントになります。
外傷直後の状況は、MRIよりCTの方がわかりやすいと言われます。
CTで所見を得られず、病変が疑われる場合には、早い段階でMRI検査をしておくことが望ましいとされます。
CTでわかりにくい白質の病変がMRIだとわかることがあるからです。

 

これらの画像では、 軸索の損傷まで撮影できないことから、びまん性軸索損傷は発見しにくいとされていますが、MRIで脳内に点状出血を生じることが多いという報告もされており、この点からも画像は重要になってきます。

 

また、一定期間の経過で、CTやMRIにより脳室の拡大、脳溝拡大など脳全体の萎縮と外傷後3ヶ月程度で固定が確認されれば、軸索が断線していることが疑えるとされます。損傷を受けた軸索が除去されることで、白質の体積が減少し、その代わりに脳室が拡大するからです。画像上、直接、脳出血などが見られなくても、びまん性軸索損傷を疑うことができるのです。

 

受傷直後からの継続的な画像が極めて重要な資料となります。

 

CT、MRI以外の画像検査、SPECT、PET、fMRI等で神経コードの断線も確認できるという話もありますが、2018年時点の実務の考えは、これらの画像検査のみで、確定的に高次脳機能障害の診断はできないとされています。これらの画像は、補助的な役割を担うものと位置づけられています。

 


・異常傾向


認知障害、行動障害など、高次脳機能障害で起きるといわれる障害が出ているかどうかです。

 

 

 

高次脳機能障害の症状固定までの期間

 

高次脳機能障害について、症状固定の診断後に、後遺障害の手続きに移ります。
症状固定については、これ以上の治療効果が期待できない状態のことを言います。
成人の高次脳機能障害での一般的な症状固定時期として、1~2年程度と言われます。
リハビリによる回復の程度等をみながら、医師の判断となります。

 

 

高次脳機能障害の後遺障害認定基準・手続

後遺障害等級については、労災保障の等級認定基準を補足しつつ認定されます。


別表第1の1級1号、2級1号、別表第2の3級3号、5級2号、7級4号、9級10号として認定されます。

 

何らかの労務に服することができるのか、介護を要するのか等によって評価は分かれます。

 

補足する考え方では、どの程度の作業ができるのかなどが基準になってきます。

 

たとえば、5級2号では、単純繰り返し作業に限定すれば、一般就労も可能だが、新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある状態が想定されています。

 

 

自賠責の後遺障害認定手続では、
意識障害についての医師の所見、
神経系統の障害に関する医学的所見、
日常生活状況報告、
学校生活状況報告

等を提出します。

 

医師の意見書では、画像に対する所見だけではなく、運動機能、動作能力、てんかん発作、認知・情緒・行動障害そその症状が社会生活・日常生活に与える影響に関する所見等が書かれます。

 

日常生活状況報告は、家族等が作成します。
日常行動の変化、問題行動の変化、生活への適応状況、具体的な影響、就労状況、就学状況などを報告します。
生活のうえで何らかの付き添いが必要な症状の場合には、そのような具体的な状況を追記した方が良いでしょう。

 

学校生活状況報告書は、被害者が学校に通っている場合、事故前後での変化を教師に作成してもらうものです。学習面や友人等の過ごし方の変化について記載してもらいます。
ここも書式を渡すだけではなく、具体的にどのようなポイントを記載してもらいたいか説明しておいた方が良いでしょう。

 

高次脳機能障害の認定のため、能力低下について個別に検査をし、その検査結果を提出することもあります。
認知機能低下について、WAIS-Ⅲ、年少者用(6歳~16歳)のWISC-R、WPPSI、
記憶力低下について、WMS-R(日本版ウェクスラー記憶検査、所要時間1時間程度)、ベントン視覚記名検査等(即時記憶と短期記憶のテストが可能)、
遂行機能障害、注意力障害について、BADS、WCST(前頭葉機能検査)、TMT等が使われます。

 

 

自賠責保険での等級認定について、以下の要件のいずれかに該当するケースを特定事案として取り扱います。
特定事案は、専門医等によって構成される高次脳機能障害審査会で審査されることになります。

・初診時に頭部外傷の診断、外傷後の意識障害が少なくとも6時間以上、若しくは健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも1週間以上
・経過の診断書又は後遺障害診断書において、高次脳機能障害、脳挫傷、びまん性軸索損傷、びまん性脳損傷等の診断がされている
・経過の診断書又は後遺障害診断書において、高次脳機能障害を示唆する具体的な症状、あるいは失調性歩行、痙性片麻痺など高次脳機能障害に伴いやすい神経徴候が認められる症例、さらには知能検査など各種神経心理的検査が施行されている
・頭部画像上、初診時の脳外傷が明らかで、少なくとも3ヶ月以内に脳室拡大、脳萎縮が確認される症例
・その他、脳外傷による高次脳機能障害が疑われる症例

 

 

高次脳機能障害で認められる損害


治療費
入通院慰謝料
後遺障害慰謝料
休業損害
医療器具費用、将来の装具費
家屋等改造費
車両購入費、改造費
将来介護費
後遺障害逸失利益など

 

高次脳機能障害で争点になりやすいポイント

高次脳機能障害の有無自体が争われるケース


画像上の異常所見がないケースで争われることが多く、否定されてしまうケースも多いです。
ただ、画像所見がなくても、事故により頭部に大きな衝撃を受けていたり、SPECT検査から軽度の脳の血流低下があり、他の要件を満たすようなケースで高次脳機能障害が認定された事例もあります。

 

 

等級が争われるケース。


高次脳機能障害が認められたとして、どの程度のものかが争われるケースも多いです。
自賠責での等級に従う裁判例が多いですが、自賠責より上の等級が認定される例も、逆に下の等級が認定されてしまう裁判例もあります。

 

 

逸失利益が争われるケース。

 

高次脳機能障害では、自賠責で後遺障害等級認定を受けても、労働能力喪失率が争われることも多いです。
裁判では、認定等級が自賠責と異なる結果になるケースのほか、認定等級自体は自賠責に従いつつも、労働能力喪失率について、等級表よりも高く認定したり、低く認定したりするケースがあります。
裁判例上、被害者が、実際に就業しているかどうか、勤労意欲があるか、就業先における協力、特別な扱いの有無、職場でのコミュニケーション状況、金銭権利能力等が判断要素となっています。

 

 

将来介護費


高次脳機能障害では、症状固定後も介護が必要なケースがあります。そのような場合、将来かかる介護費用を請求に加えておくべきです。
1,2級の場合には、将来介護費が認められるケースがほとんどですが、3級以下の高次脳機能障害で一定額の将来介護費を損害として認定した裁判例もあります。

 

後遺障害の認定では、1級では「常に介護を要する」ものとされ、2級では「随時介護を要する」ものとされ、3級以下では「介護を要する」という要件はありません。そのため、介護を要件とされていない3級以下の高次脳機能障害の場合、介護費用は認められないようにも考えられます。

 

しかし、実際には、日常生活において、動作に支障があったり、一人では危険な行動に出る恐れがある場合など、家族による見守りのような看視が必要なケースもあります。付き添い等が必要なケースで、親族の慰謝料でこれを評価する裁判例もあります。
介護については、施設介護、在宅介護、どちらのケースもあり、それぞれにメリット・デメリットはありますが、在宅介護の方が損害額の算定は高くなります。

 

また、親族介護でなく、職業介護人による介護費用が認められるケースもありますが、家族の年齢等を考慮して、一定年数は親族介護、その後は職業介護人の介護を前提とする損害額が算定されることも多いです。
親族による介護の場合、1日8000円など定額が認められる傾向にありますが、親族の収入が介護により、以前より減ってしまっているような場合に、その分高額な介護費用が認定されるケースもあります。

 

 

介護保険との関係

 

介護保険給付のうち、居宅介護サービスは、職業介護人による介護費用、居宅介護住宅改修費は家屋改造費というように、損害賠償請求で求める費目と重なる部分があります。
介護保険については、要介護者は、要介護状態にある65歳以上の者をいいます。40歳以上65歳未満の場合には特定疾病によって要介護状態になったことが要件とされていますので、交通事故で高次脳機能障害の後遺障害を負ったという場合には原則として含まれません。

 

被害者が65歳以降になった時期について、損害賠償請求と介護保険との関係が問題になります。
保険会社からは65歳になれば介護保険給付があるから損害賠償請求分を減らすべきだと主張されることになります。
この問題では、裁判例は分かれていますが、多くの裁判例では、介護保険制度があるからといって
損害賠償請求の金額を減らすことは否定されています。

 

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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