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裁判例:通勤中の事故と使用者責任 肯定

 

神戸地方裁判所平成16年7月7日判決

交通事故の加害者が、通勤中や帰宅中の運転であった場合、加害者本人だけでなく、その加害者を雇用していた会社等に対しても、損害賠償請求ができないか問題になります。

民法715条の使用者責任を問えるかどうかという問題で、「事業の執行について」事故を起こしたかどうか、の判断になります。

神戸地裁平成16年7月7日判決は、市立中学の教員によるマイカー通勤中の事故について、

 


「中学は通勤に公共交通機関を利用することが困難な地理的状況にあることが推認され、自動車通勤を認めなければ教職員を確保することができず、学校運営に支障を来すおそれがあったということができる。そうすると、泉中学の運営に教職員の自動車通勤は必要不可欠のものであって、通勤のための自動車運転は泉中学の業務と密接な関係がある行為であると判断することができるから、被告市の事業の執行について被告乙山が本件事故を発生させたということになり」

 


として、使用者に対する請求を認めました。

神奈川県央地域ですと、自動車通勤できないと不便な中学校もありますね。

通勤事故の使用者責任を追及する際には、事業所の場所もポイントになる事例があるのです。

 

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